MT-07とXSR900、35万2,000円差で何が変わる? 出力・電子制御・維持費で比較
この記事の要点
- 軽さ・足つき・燃料代で選ぶならMT-07。 13kg軽く、シート高が10mm低く、燃料はレギュラー
- 電子制御と長距離で選ぶならXSR900。 6軸IMU、クルーズコントロールと双方向クイックシフターが標準
- AT限定の大型免許なら、選べるのはMT-07 Y-AMTだけ。 XSR900にY-AMTの設定は無い
同じヤマハの大型ネイキッドでも、MT-07は96万8,000円、XSR900は132万円。差は35万2,000円ある。
2気筒の688ccと、3気筒の888cc。73PSと120PS。数字の差は大きいが、選ぶときに見るべきはそこだけではない。この記事では、35万2,000円で何が変わるのかを整理する。
35万2,000円という差は、値引きでひっくり返る額ではない。乗り換えの総額を動かすのは、いま持っているバイクをいくらで手放せるかのほうだ。 先に相場を知っておけば、提示された額が妥当かどうかを自分で判断できる。

店長、同じヤマハなのに顔が全然違いますね
狙っている人が違うもの。MT-07は最初の大型に選ばれる1台、XSR900は見た目まで込みで選ぶ1台よ
XSR900のほうが上位版、ということですか?
そうとは限らないわ。13kg軽くて燃料も安いMT-07のほうが、毎日乗るには正解なことも多いの
まず、数字を並べる
| 項目 | ヤマハ MT-07 | ヤマハ XSR900 |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 968,000円 | 1,320,000円 |
| エンジン | 水冷4スト 並列2気筒 688cc | 水冷4スト 並列3気筒 888cc |
| 最高出力 | 54kW(73PS)/8,750rpm | 88kW(120PS)/10,000rpm |
| 最大トルク | 68N·m/6,500rpm | 93N·m/7,000rpm |
| 車両重量 | 183kg | 196kg |
| シート高 | 805mm | 815mm |
| 燃料タンク | 13L | 14L |
| 使用燃料 | レギュラー | ハイオク |
| WMTC燃費 | 25.4km/L | 20.9km/L |
| 変速機 | 6速MT(Y-AMTの設定あり) | 6速MT(Y-AMTの設定なし) |
出力が47PSも違うんですね!
気筒がひとつ多くて、排気量も200cc大きいもの。そこは順当な差よ
じゃあ、XSR900のほうが速いんですね
速いわ。でも、その120PSを使う場面が日本の公道にどれだけあるかは、自分に聞いてみて
35万2,000円で、何が増えるのか
| 増えるもの | 中身 |
|---|---|
| 排気量 | 688cc → 888cc(+200cc) |
| 最高出力 | 73PS → 120PS(+47PS) |
| 最大トルク | 68N·m → 93N·m(+25N·m) |
| 6軸IMU | 車体の傾きを測り、バンク角に対応した制御が入る |
| 電子制御 | バンク角対応のトラクションコントロール、スライドコントロール、リフトコントロール、ブレーキコントロール |
| クルーズコントロール | 標準(MT-07のMTには無い) |
| 双方向クイックシフター | 標準(MT-07はアクセサリー設定) |
| リアサスペンション | KYB製のフルアジャスタブル |
| ライドモード | 5種類(MT-07は3種類) |
逆に、MT-07を選ぶと手に入るものはこうなる。
| 手に入るもの | 中身 |
|---|---|
| 価格 | 35万2,000円安い |
| 軽さ | 13kg軽い(183kg) |
| 足つき | シート高が10mm低い(805mm) |
| 燃料 | レギュラー(XSR900はハイオク) |
| 燃費 | WMTCで4.5km/L良い |
| 免許の選択肢 | Y-AMTならAT限定の大型免許でも乗れる |
電子制御の差が、けっこう大きいですね
6軸IMUが入るかどうかは、乗り方によっては大きいわ。車体が傾いているときに、制御の効き方を変えてくれるの
傾いているときって、危ない場面ですよね
そう。まっすぐのときと同じ制御だと、かえって危ないの。そこを見ているのがIMUよ
6軸IMUがあると、何が変わる?
XSR900は6軸のIMUを積んでいる。車体がどのくらい傾いているか、どちらへ動こうとしているかを常に測っている部品だ。
| 制御 | 何をするか |
|---|---|
| バンク角対応トラクションコントロール | 傾きに合わせて、後輪が空転しにくいように調整する |
| スライドコントロール | 後輪が横に流れるのを抑える |
| リフトコントロール | 前輪が浮き上がるのを抑える |
| ブレーキコントロール | ABSと連動し、傾いている最中のブレーキにも対応する |
MT-07にはIMUが付かない。 トラクションコントロールと前後ABSはあるが、バンク角に合わせて効き方を変える仕組みは入らない。
じゃあ、倒し込んでいる最中は自分次第なんですね
そうなるわ。ただ、それで危ないという話じゃないの。長いあいだ、バイクはそれで走ってきたんだから
走りの評価は、どう分かれる?
MT-07は、車体の軽さが繰り返し評価されている。新しい足まわりで狙ったところへ向きを変えやすく、街中でも扱いやすい。Y-AMTなら半クラッチが要らないので、渋滞と右左折が楽になる。
XSR900は、3気筒の力強さと軽快な向きの変わり方が評価されている。2025年の変更でシートとサスペンションが柔らかくなり、マンホールや路面の継ぎ目での衝撃が穏やかになった。ハンドルを約10mm高く手前にしたことで前傾も緩くなり、ツーリング向きの姿勢になっている。ライドモードは5種類あり、性格の違いがはっきり分かる。
高速道路では、どちらもカウルが無いので風は直接受ける。ただしXSR900はクルーズコントロールが標準で、MT-07ではY-AMTを選んだときに付く。
防風は同じなんですね
そこは変わらないわ。カウルが欲しいなら、どちらでもない別のバイクを見るべきね

2気筒と3気筒は、乗った感じがどう違う?
最高出力と最大トルクが出る回転数を並べると、性格の違いが見える。
MT-07は8,750rpmで73PS、6,500rpmで68N·m。XSR900は10,000rpmで120PS、7,000rpmで93N·m。XSR900のほうが、力のピークがどちらも高い回転にある。
| MT-07(2気筒) | XSR900(3気筒) | |
|---|---|---|
| 最高出力の回転 | 8,750rpm | 10,000rpm |
| 最大トルクの回転 | 6,500rpm | 7,000rpm |
| 性格 | 低中回転で押し出す | 低回転から高回転まで途切れない |
3気筒って、珍しいですよね
日本のメーカーで作っているのは多くないわ。2気筒と4気筒の、ちょうど間にある形ね
じゃあ3気筒のほうが上ですか?
好みの問題ね。数字が上だから気持ちいい、とは限らないの
足つきと重さの差は、実際どのくらい?
| 項目 | MT-07 | XSR900 |
|---|---|---|
| シート高 | 805mm | 815mm |
| 車両重量 | 183kg | 196kg |
| 足つきの評価 | 身長172cmで両踵が少し浮く程度、片足なら確実に着く | 従来型より5mm高いが、シート前部の絞りと柔らかさで実際の足つきは同等か改善 |
10mmと13kg。数字だけ見れば大きくないが、駐輪場で毎日押す人には出てくる差だ。
XSR900は5mm高くなったのに、足つきは良くなったんですか
シートの前のほうを絞って、柔らかくしたの。数字が上がっても、またがった感じは変わらないことがあるわ
13kgって、微妙な差ですね
微妙だからこそ、他の理由で決めていいの。ここで悩む必要はないわ
積載と、街での使い勝手
どちらもネイキッドで、標準の積載性は高くない。キャリアやバッグは後から足す前提になる。
| 項目 | MT-07 | XSR900 |
|---|---|---|
| 積載 | シート下の余裕は大きくない | 標準の積載性は高くない |
| 渋滞 | Y-AMTなら半クラッチが要らない | 2025年型は衝撃が穏やかになった |
| 街乗りの姿勢 | — | ハンドルが手前に来て前傾が緩い |
荷物を積みたいなら、どちらも同じですか?
同じね。どちらを買っても、サイドバッグかトップケースを足すことになるわ
燃料代は、はっきり差が出る
| 項目 | MT-07 | XSR900 |
|---|---|---|
| 燃料 | レギュラー | ハイオク |
| WMTC燃費 | 25.4km/L | 20.9km/L |
| タンク容量 | 13L | 14L |
単価が違ううえに、燃費で4.5km/Lの差がある。毎日乗る人ほど、ここは積み上がる。
けっこう違いますね
排気量が200cc大きくて、ハイオク指定だもの。そこは避けようがないわ
維持費のほかの部分は、同じ
| 項目 | MT-07 | XSR900 |
|---|---|---|
| 車検 | あり(新車の初回は3年、その後は2年ごと) | 同じ |
| 軽自動車税 | 年6,000円 | 年6,000円 |
| 重量税 | 新車時5,700円/継続3,800円 | 同じ |
| 必要な免許 | 大型二輪(Y-AMTはAT限定でも可) | 大型二輪(AT限定不可) |
※税率は改正されることがある

AT限定の大型免許なら、選べるのは1台だけ
XSR900にY-AMTの設定は無い。 6速のマニュアルのみなので、AT限定の大型二輪免許では乗れない。
| 免許 | MT-07 | MT-07 Y-AMT | XSR900 |
|---|---|---|---|
| 大型二輪(限定なし) | 乗れる | 乗れる | 乗れる |
| AT限定大型二輪 | 乗れない | 乗れる | 乗れない |
XSR900にもY-AMTが付けばいいのに
いまは無いわ。この2台で選ぶなら、クラッチ操作なしはMT-07のY-AMTだけよ
長い距離を走るなら、どちらが楽か
どちらもカウルが無いので、風は同じだけ受ける。それでも長距離での装備には差がある。
| 装備 | MT-07 | XSR900 |
|---|---|---|
| クルーズコントロール | Y-AMTのみ | 標準 |
| リアサスペンション | プリロードと伸び側減衰を調整 | KYB製のフルアジャスタブル |
| ライドモード | 3種類 | 5種類(CUSTOMを2つ保存できる) |
| 姿勢 | — | 2025年型でハンドルを約10mm高く手前に |
XSR900は2025年の変更で、シート・ハンドル・サスペンションを見直している。速くするための変更ではなく、長く乗るための変更だった。
長距離ならXSR900、ということですか
装備だけ見ればそうね。ただ、MT-07のY-AMTなら左手が休まるわ。疲れの原因は速さじゃないの
また分からなくなりました
どこで疲れるかは人によって違うもの。手首なのか、左手なのか、お尻なのか。自分の弱点を知ってから選びなさい
結局、どちらを選ぶ?
| 優先すること | 第一候補 | 理由 |
|---|---|---|
| 価格を抑える | MT-07(MT) | 35万2,000円安い |
| 軽さ・足つき | MT-07 | 13kg軽く、シート高も10mm低い |
| 燃料代 | MT-07 | レギュラー、WMTCで4.5km/L良い |
| 電子制御 | XSR900 | 6軸IMUとバンク角対応の各種制御 |
| 力の余裕 | XSR900 | 120PS・93N·mの3気筒 |
| 長距離ツーリング | XSR900 | クルーズコントロールが標準、姿勢とサスを見直し済み |
| ネオクラシックの見た目 | XSR900 | 丸型LEDの外観 |
| AT限定の大型免許 | MT-07 Y-AMT | XSR900にY-AMTの設定は無い |
Y-AMTと比べると、差はいくらになりますか?
26万4,000円よ。それでも小さい額じゃないわね
そう聞くと、MT-07が有利に見えます
数字の勝負ならそうなるの。でも、XSR900を選ぶ人は数字だけで選んでいないわ
35万2,000円を埋めるのは、いまの1台かもしれない。
35万円って、けっこう大きい差ですよね
大きいわ。でも、いま乗っている1台を売れば、その額はそのまま次の予算に乗るの。中古の相場はここ数年上がっているわ
上がっているんですか?
ええ。値が付かないと思っていた車体に、金額が出ることもあるの
それでも35万円は埋まりませんよね
全部は埋まらないわ。でも、埋まらないと決めつけて調べない人が多すぎるの。見るだけなら費用はかからないでしょう
📌 まとめ
- 35万2,000円の差で増えるのは、排気量200cc・出力47PS・6軸IMU・クルーズコントロール・双方向クイックシフター
- MT-07は13kg軽く、シート高が10mm低く、燃料がレギュラー。WMTCでも4.5km/L良い
- XSR900にY-AMTの設定は無い。AT限定の大型免許ならMT-07 Y-AMTの一択
わたしはXSR900です。この丸いライトの顔が好きなので
わたしはMT-07ね。13kg軽くて、燃料も安い。毎日乗るならそっちよ
店長、いつもなら上のほうを勧めるのに
使わない120PSにお金を払うのは、わたしの趣味じゃないの
よくある質問
MT-07とXSR900の価格差は?
35万2,000円です(MT-07のMTが96万8,000円、XSR900が132万円)。MT-07 Y-AMT(105万6,000円)と比べると26万4,000円差になります。
XSR900にY-AMT(自動変速)はある?
ありません。6速のマニュアルのみです。そのため、AT限定の大型二輪免許では乗れません。クラッチ操作なしで乗りたい場合はMT-07 Y-AMTになります。
6軸IMUがあるのはどちら?
XSR900です。6軸IMUを積み、バンク角に対応したトラクションコントロールやブレーキ制御が入ります。MT-07にIMUは付きません(トラクションコントロールと前後ABSはあります)。
燃料の違いは?
MT-07はレギュラー、XSR900はハイオクです。WMTC燃費もMT-07が25.4km/L、XSR900が20.9km/Lなので、燃料代の差は大きくなります。
いま乗っているバイクは、いくらで売れる?
車種・年式・走行距離・状態で大きく変わります。販売店の下取りだけで決めずに、買取の相場を先に見ておくと、提示された金額が妥当かどうかを判断できます。
この記事で参照した情報源(13件)
※この記事は2026年9月20日時点の公開情報をもとに作成しています。価格・装備・カラーは改良や仕様変更で変わることがあります。
※記事内の画像はイメージです。細部は実際のものと異なる場合があります。
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