CRF250LとDR-Z4S、55万円差で何が変わる? 車検・足まわり・足つきで比較
この記事の要点
- 維持費と扱いやすさで選ぶならCRF250L。 車検が不要で、10kg軽く、シート高が60mm低い
- 本格的に走りたいならDR-Z4S。 排気量149cm³・出力14PSが上で、前後フルアジャスタブルのサスと前後ABSの解除が付く
- 最大の分かれ目は車検の有無。 CRF250Lは軽二輪で車検なし、DR-Z4Sは小型二輪で2年ごとにある
ホンダ CRF250Lが64万9,000円、スズキ DR-Z4Sが119万9,000円。差は55万円ある。
どちらもオフロードバイクだが、片方は車検が要らず、もう片方は要る。この違いが、値段以上に毎年の付き合い方を変える。55万円で何が手に入るのかを整理する。
55万円という差は、値引きでひっくり返る額ではない。乗り換えの総額を動かすのは、いま持っているバイクをいくらで手放せるかのほうだ。 先に相場を知っておけば、提示された額が妥当かどうかを自分で判断できる。

店長、どっちもオフロードですよね。値段が倍近いです
クラスが違うもの。249cm³と398cm³。それに、車検が要るか要らないかよ
車検って、そんなに大きいですか?
2年ごとにお金と時間が要るの。10年乗るなら4回よ。値段の差だけ見て決めないことね
まず、数字を並べる
| 項目 | ホンダ CRF250L | スズキ DR-Z4S |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 649,000円 | 1,199,000円 |
| エンジン | 水冷4スト 単気筒 249cm³ | 水冷 単気筒 398cm³ |
| 最高出力 | 18kW(24PS)/9,000rpm | 28kW(38PS)/8,000rpm |
| 最大トルク | 23N·m/6,500rpm | 37N·m/6,500rpm |
| 変速機 | 6速 | 5速 |
| シート高 | 830mm(〈s〉は880mm) | 890mm |
| 車両重量 | 141kg | 151kg |
| 最低地上高 | 245mm(〈s〉は285mm) | 300mm |
| 燃料タンク | 7.8L | 8.7L |
| WMTC燃費 | 32.4km/L | 27.7km/L |
| 車検 | 不要 | 必要 |
トルクが14N·mも違うんですね!
そこがクラスの差よ。坂道でも、深い砂でも、余裕が違うわ
でも、段数はCRF250Lのほうが多いんですね
5速にしたのには理由があるの。クランクケースを先代から受け継いでいるから、6速にするとギアが薄くなってオフロードでの耐久性が落ちるのよ
55万円で、何が増えるのか
| 増えるもの | 中身 |
|---|---|
| 排気量 | 249cm³ → 398cm³(+149cm³) |
| 最高出力 | 24PS → 38PS(+14PS) |
| 最大トルク | 23N·m → 37N·m(+14N·m) |
| 前サスペンション | KYB倒立・フルアジャスタブル(ストローク280mm) |
| 後サスペンション | リンク式・フルアジャスタブル(ホイールトラベル296mm) |
| 最低地上高 | 245mm → 300mm(+55mm) |
| ABSの解除 | 前後ともOFFにできる(後輪だけOFFも可) |
| ライドモード | SDMS A/B/Cの3モード |
| そのほかの制御 | S.T.C.S.(トラクションコントロール)、Gモード |
逆に、CRF250Lを選ぶと手に入るものはこうなる。
| 手に入るもの | 中身 |
|---|---|
| 価格 | 55万円安い |
| 車検 | 不要(DR-Z4Sは2年ごと) |
| 軽さ | 10kg軽い(141kg) |
| 足つき | シート高が60mm低い(830mm) |
| 燃費 | WMTCで4.7km/L良い |
| 変速機 | 6速(DR-Z4Sは5速) |
| 軽自動車税 | 年3,600円(DR-Z4Sは6,000円) |
どっちも良いところがありますね
目的が違うだけよ。どちらが優れているという話じゃないわ
249cm³と398cm³は、何が違うのか
CRF250Lは249cm³、DR-Z4Sは398cm³。149cm³の差が、出力で14PS、トルクで14N·mの差になっている。
数字で見ると大きいが、オフロードでは最高出力より低い回転でどれだけ粘るかが効いてくる。DR-Z4Sの37N·mは、CRF250Lの23N·mの1.6倍にあたる。深い砂や急な上りで、アクセルを開けずに済む場面が増える。
一方で、CRF250Lの24PSは扱いやすさの側に振ってある。林道で必要以上の力は、かえって怖いという考え方もある。
初めてなら、力は少ないほうがいいですか?
そのほうが安全ね。開けすぎても、そこまで飛び出さないもの
力があるほうが偉い、わけじゃないんですね
乗り物としてはね。自分が使える範囲を超えた力は、置いていくだけよ
いちばん大きいのは、車検の有無
| 項目 | CRF250L | DR-Z4S |
|---|---|---|
| 区分 | 軽二輪(249cm³) | 小型二輪(398cm³) |
| 車検 | 不要 | 必要(新車の初回は3年、その後は2年ごと) |
| 軽自動車税 | 年3,600円 | 年6,000円 |
| 重量税 | 新車の届出時のみ4,900円 | 新車時5,700円/継続3,800円 |
| 必要な免許 | 普通二輪以上 | 普通二輪で乗れる(398cm³で400ccを超えないため) |
※税率は改正されることがある
DR-Z4Sは398cm³なので、普通二輪免許で乗れる。400ccを超えないからだ。ただし車検はある。
400ccを超えないから普通二輪、なんですね
400ccを1ccでも超えると、大型二輪の免許が要るの。398cm³は、その線のすぐ内側よ
それなら免許は問題なさそうです
免許は大丈夫でも、車検はついてくるわ。そこは切り離して考えて
足つきの差は、60mm
| モデル | シート高 | 備考 |
|---|---|---|
| CRF250L | 830mm | 〈s〉は880mm |
| CRF250 RALLY | 830mm | 〈s〉は885mm。座面が20mm広い |
| DR-Z4S | 890mm | ローダウンシートを標準で履いてこの高さ |
DR-Z4Sの890mmは、すでにローダウンシートが付いた状態の数字だ。サスペンションが長いぶん、シートで下げて890mmに揃えている。ただしウレタンが薄く、シートのカドが太ももを押し広げるため足を真下に下ろしにくい、という評価がある。
CRF250Lの標準830mmでは、身長168cmの人で両踵ぎりぎり、175cmで余裕という例がある。830mmでも、多くの人にとっては高いほうだ。
どちらも、わたしには高そうです
オフロードはそういうものよ。サスペンションが長いぶん、車体が持ち上がるの
低いほうを選べば何とかなりますか?
CRF250Lの標準なら、まだ望みはあるわ。足の長い〈s〉を選ぶと、DR-Z4Sとほとんど変わらなくなるから気をつけて

足まわりの本格さは、はっきり違う
| 項目 | CRF250L | DR-Z4S |
|---|---|---|
| 前サスペンション | 倒立フォーク | KYB倒立・フルアジャスタブル(ストローク280mm) |
| 後サスペンション | プロリンク式モノショック | リンク式・フルアジャスタブル(ホイールトラベル296mm) |
| 最低地上高 | 245mm(〈s〉285mm) | 300mm |
| ABSの解除 | 後輪のみ | 前後ともOFF可/後輪のみOFFも可 |
DR-Z4Sは前後ともフルアジャスタブルで、自分で細かく合わせられる。前後ともABSを切れるモードは、スズキの市販車では初めての採用だ。ただし公道ではABSを作動させた状態で走るよう、注意書きが出ている。
CRF250Lのサスペンションに調整機構があるかどうかは、販売店で確かめてほしい。
ABSを切りたい場面ってあるんですか?
オフロードではね。後輪を滑らせて向きを変える走り方だと、ABSは邪魔になるの。でも公道では切らないこと
電子制御の差
CRF250Lには、ライドモードもトラクションコントロールも無い。アクセルの開け方だけで調整することになる。ABSは前後に付くが、切れるのは後輪だけだ。
DR-Z4Sには次のものが付く。
| 装備 | 内容 |
|---|---|
| SDMS | A(鋭い)/B(中間)/C(穏やか)の3モード。最高出力は同じで、スロットルの反応が変わる |
| S.T.C.S. | トラクションコントロール |
| Gモード | オフロード向けの設定 |
| 解除モード付きABS | 前後ともOFF可/後輪のみOFFも可 |
CRF250Lは、何も付いていないんですね
それが悪いことじゃないの。制御が無いぶん、自分がどう操作したかがそのまま返ってくるわ
練習にはいいかもしれませんね
そうね。ただ、制御は失敗したときに助けてくれるもの。両方の見方があるの
走りは、どう違う?
CRF250Lは、141kgの軽さとスロットルの穏やかな反応が評価されている。前後の荷重が均等で、街中でもフロントから素直に曲がっていく。一般的な林道なら標準の足で足りる。高速道路では110km/hを超えると単気筒らしい振動が増え、快適に走れるのは120km/h付近までだ。
DR-Z4Sは、38PS・37N·mという数字のとおり、力に余裕がある。サスペンションのセッティングは林道向けで、モタードのDR-Z4SMはサーキット・オンロード向けに振ってある。1タンクの航続は約250kmを確保している。
CRF250Lは高速がつらいんですね
単気筒だもの。でもDR-Z4Sも単気筒よ。どちらも高速を長く走る乗り物じゃないわ
タンクと航続距離
| モデル | タンク容量 | WMTC燃費 |
|---|---|---|
| CRF250L | 7.8L | 32.4km/L |
| CRF250 RALLY | 12L | 32.4km/L |
| DR-Z4S | 8.7L | 27.7km/L |
ここにCRF250 RALLYを並べると、タンクの差がはっきりする。CRF250Lの7.8Lは3台でいちばん小さい。遠くの林道まで走るなら、12LのRALLYを候補に入れる価値がある。RALLYとDR-Z4Sの差は40万7,000円まで縮む。

10年乗ったら、どのくらい差がつく?
車検の有無は、年数が長くなるほど差が開く。10年乗った場合の、税金と車検の回数を並べる。
| 項目 | CRF250L | DR-Z4S |
|---|---|---|
| 車検の回数(10年) | 0回 | 初回3年+2年ごとで4回 |
| 軽自動車税(10年分) | 36,000円 | 60,000円 |
| 重量税 | 届出時の4,900円のみ | 新車5,700円+継続3,800円×4回 |
車検そのものの費用は、依頼先と整備の内容で変わるので、ここでは回数だけを挙げる。手間の面でも、2年ごとに予定を空ける必要がある。
4回って、けっこうありますね
そこを含めて55万円差を見るかどうかね。買うときの差額だけで判断すると、あとで驚くことになるわ
結局、どちらを選ぶ?
| 優先すること | 第一候補 | 理由 |
|---|---|---|
| 価格を抑える | CRF250L | 55万円安い |
| 維持費 | CRF250L | 車検不要、軽自動車税も2,400円安い |
| 軽さ | CRF250L | 141kgで10kg軽い |
| 足つき | CRF250L | 830mmで60mm低い |
| 本格的な足まわり | DR-Z4S | 前後フルアジャスタブル、最低地上高300mm |
| 力の余裕 | DR-Z4S | 398cm³・38PS・37N·m |
| ABSを切って走りたい | DR-Z4S | 前後ともOFFにできる |
| 長い距離を走る | CRF250 RALLY | 12Lタンクとスクリーン・カウル |
初めてのオフロードなら、どっちですか?
CRF250Lね。軽くて、足がついて、車検が無いの。最初の1台で怖い思いをしない組み合わせよ
DR-Z4Sは、慣れてからですか
足りないと感じてからで遅くないわ。24PSで物足りなくなる人は、そう多くないの
55万円の差は、いまの1台で埋まるかもしれない。
55万円は、さすがに大きいです
大きいわ。でも、いま乗っている1台を売れば、その額はそのまま予算に乗るの
オフロードって、中古で人気あるんでしょうか
中古の相場はここ数年上がっているわ。とくにオフロードは、思ったより値が付くことがあるの
林道で使い込んだ車体でも、ですか
傷があっても、動けば金額は出るわ。値が付かないと決めつけて捨て値で手放すほうが、よほどもったいないの
📌 まとめ
- CRF250Lは車検が不要。DR-Z4Sは2年ごとの車検がある。ここが最大の分かれ目
- 55万円の差で増えるのは、排気量149cm³・出力14PS・トルク14N·m・前後フルアジャスタブルのサス・前後ABSの解除
- CRF250Lは10kg軽く、シート高が60mm低い。初めての1台ならこちらが扱いやすい
わたしはCRF250Lです。足がつかないと不安なので
わたしはDR-Z4Sね。前後フルアジャスタブルのサスを自分で詰めていくのが楽しいの
車検があっても、ですか?
そこを引き受ける覚悟がある人のためのバイクでしょう、あれは
よくある質問
CRF250LとDR-Z4Sの価格差は?
55万円です(CRF250Lが64万9,000円、DR-Z4Sが119万9,000円)。CRF250 RALLY(79万2,000円)と比べると40万7,000円差になります。
車検はどちらに必要?
DR-Z4Sだけです。398cm³の小型二輪なので、新車の初回は3年、その後は2年ごとに車検があります。CRF250Lは249cm³の軽二輪なので車検はありません。
DR-Z4Sは普通二輪免許で乗れる?
乗れます。総排気量が398cm³で400ccを超えないためです。ただしクラッチのあるMTなので、AT限定免許では乗れません。
足つきはどのくらい違う?
60mmです。CRF250Lの標準が830mm、DR-Z4Sが890mmです。DR-Z4Sの890mmは、すでにローダウンシートが付いた状態の数字になります。
いま乗っているバイクは、いくらで売れる?
車種・年式・走行距離・状態で大きく変わります。販売店の下取りだけで決めずに、買取の相場を先に見ておくと、提示された金額が妥当かどうかを判断できます。
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※この記事は2026年9月20日時点の公開情報をもとに作成しています。価格・装備・カラーは改良や仕様変更で変わることがあります。
※記事内の画像はイメージです。細部は実際のものと異なる場合があります。
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