レクサスLCが販売終了。5.0L V8と開く屋根を持つフラッグシップGTは何がすごかった?
この記事の要点
- レクサス日本公式サイトで、LC500h/LC500/LC500 Convertible の全グレードが「販売終了」。工場出荷時期の案内にも掲載がない
- 中身は3種類。5.0L V8のLC500、V6ハイブリッドのLC500h、そして屋根が約15秒で開くLC500 Convertible
- 2012年のコンセプトカーをほぼそのまま市販化した車で、GA-Lプラットフォームを最初に積んだのがこのLC。のちのLSも同じ土台を使っている
レクサス日本公式サイトのLCのページに、LC500h・LC500・LC500 Convertible の全グレードで「販売終了」と表示されている。 工場出荷時期の案内にも、もうLCの名前はない。
2017年の発売から、およそ9年。5.0LのV8を過給せずに積み、屋根が開く仕様まで用意していた日本車は、これで一区切りになる。
どういう車だったのか、そしてこの9年で何を残したのかを整理する。
生産終了や販売終了が決まると、中古の相場は動くことがある。いま同じ車に乗っているなら、値段だけでも見ておく価値はある。 下取りに出すつもりでも、先に買取の相場を知っておけば、提示された額が妥当かどうかを自分で判断できる。
店長、レクサスのLCって、もう買えないんですか?
公式サイトでは全グレードが販売終了になっているわ。工場出荷の案内からも消えているの
店長、いま黙りましたね
……先を続けて
これ、店長のいちばん好きなやつですよね
あの形で、あのエンジンを積んだ車よ。いま同じものを作れと言われて、作る会社があると思う?
聞いた私が悪かったです
悪くはないわ。事実だもの
じゃあ本当に終わりなんですか!?
新車としてはそう受け取るのが自然ね。ただ公式サイトに出ているのは『販売終了』の表示だけで、時期の案内は付いていないの
え、いつ終わったとかも書いてないんですか?
静かに畳まれる車もあるのよ。海外では2026年8月までと報じられているけれど、あれは向こうの仕様の話ね
寂しいですね
寂しいわ。ああいう車は、もう作られないもの

LCは、どういう車だったのか。
そもそも、どんな車なんですか?
2ドアのクーペよ。速さを競う車というより、遠くまで気持ちよく走るための車ね。GTって呼ばれる種類なの
スポーツカーとは違うんですか?
性格が違うの。サーキットでタイムを削るために作られた車は、乗り心地も荷物の積み方も後回しになる。LCはそこを逆にしていて、長い距離を静かに、それでいて退屈しないように走ることに寄せてある。だから車重も2t近くあるし、軽さで勝負する車とは土俵が違うのよ
じゃあ、旅行に行く車ってことですか?
2人でね。後ろの席は正直おまけよ
おまけなのに、この値段なんですね
2人で乗るための車に、後ろの席の値段は関係ないの
この車で外せないのが、見た目がほぼコンセプトカーのまま出てきたという点だ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原型 | 2012年1月・デトロイトショーで公開されたコンセプトカー「LF-LC」 |
| 発売 | 2017年3月16日(LC500h)/LC500は同年4月13日発売予定として発表 |
| 型式 | LC500・Convertible=5BA-URZ100/LC500h=6AA-GWZ100 |
| 駆動方式 | 全車FR(後輪駆動) |
| プラットフォーム | GA-L(LCが初採用) |
コンセプトカーって、ショーに置いてあるやつですよね?
そう。普通はあれ、市販するときに全然違う顔になるの
それがほぼそのまま出たんですか!?
ほぼね。ショーで見た絵が、そのまま店に並んだのよ。これができる会社はそんなに多くないわ
そしてもう一つ、LCには裏方としての役割があった。GA-Lというプラットフォームを最初に積んだのが、このLCだ。現行のLSも同じ土台を使っている。
じゃあLCって、実験台だったんですか?
言い方ね。最初に積んだ車、でいいでしょ?
中身は3種類。V8とハイブリッドと、屋根が開くやつ
価格は、いずれも販売終了前の税込のメーカー希望小売価格。
| 車種 | パッケージ | 税込価格 |
|---|---|---|
| LC500 | 標準/“L package” | 14,100,000円 |
| LC500 | “S package” | 14,930,000円 |
| LC500h | 標準/“L package” | 14,550,000円 |
| LC500h | “S package” | 15,380,000円 |
| LC500 Convertible | — | 15,550,000円 |
エンジンは2種類だ。
| 車種 | エンジン | 最高出力 | 変速機 | WLTC燃費 |
|---|---|---|---|---|
| LC500 | 5.0L V8(自然吸気) | 351kW(477PS) | 10速AT | 8.4km/L |
| LC500 Convertible | 5.0L V8(自然吸気) | 351kW(477PS) | 10速AT | 8.0km/L |
| LC500h | 3.5L V6+ハイブリッド | エンジン220kW(299PS)+モーター132kW(180PS) | マルチステージハイブリッド | 14.4km/L |
V8って、いまどきの車だと珍しいんでしたっけ?
珍しいわ。しかもターボを付けずに、そのまま回して出しているの。いまは小さいエンジンに過給機を付けるのが主流でしょ?
ターボがないと、何が違うんですか?
アクセルの踏み込みに対する反応が素直なの。それと音ね。回すほど音が変わっていくの
なんか、店長が急に楽しそうですね
事実を言っているだけよ
いっぽうLC500hは、まったく別の方向から作られている。
ハイブリッドのほうは、そんなに違うんですか?
こちらは3.5LのV6にモーターを組み合わせたハイブリッドね。ただ、名前がマルチステージハイブリッドといって、普通のハイブリッドとは変速の仕組みが違うの。しかもこれ、LCが世界で最初に積んだものよ。GA-Lと合わせて、この車には初物が2つ載っていることになるわ
新しいもの、まとめて背負わされてませんか?
フラッグシップの役目ね
屋根が開くLCが、2020年に増えた

オープンカーもあったんですよね?
2020年7月に追加されたわ。LC500 Convertibleね。エンジンはV8のままよ
屋根って、どのくらいで開くんですか?
表のとおりね。しかも停まっていなくていいの
走りながら開くんですか!?
ゆっくり流している速度なら動くわ。信号待ちから発進して、流れに乗る前に開き終わる感覚ね
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日本発売 | 2020年7月15日 |
| 屋根 | 4層構造のソフトトップ |
| 開閉時間 | 約15秒 |
| 作動できる速度 | 約50km/h以下 |
| 幌の色 | マリーンブルー/ブラック/サンドベージュ/レッド |
| クーペとの重量差 | 約100〜120kg重い |
| 価格差 | LC500標準比で約145万円高 |
屋根が開くぶん、重くなるんですね
クーペより100kg以上重いわ。屋根を開けても車体がヨレないように作ってあるからよ
オープンって、なんかフニャッとするイメージありました
そこは相当やってあるわね。ただし重いぶん、身軽さではクーペに譲るわ。どちらが上という話ではないの
そして幌の色は、内装の色との組み合わせが決まっていた。好きな色をどう組んでもいい方式ではなく、内装を選ぶと幌が絞られる。
ボディカラーは7色。有料の色は2つだけだった
販売終了時点で選べたのは、この7色。
| ボディカラー | 有料色 |
|---|---|
| ホワイトノーヴァガラスフレーク〈083〉 | — |
| ソニッククロム〈1L1〉 | — |
| ソニックイリジウム〈1L2〉 | — |
| グラファイトブラックガラスフレーク〈223〉 | — |
| ラディアントレッドコントラストレイヤリング〈3T5〉 | 165,000円 |
| テレーンカーキマイカメタリック〈6X4〉 | — |
| ヒートブルーコントラストレイヤリング〈8X1〉 | 165,000円 |
内装はオーカー、ダークローズ、ブラック、ブルー&ホワイトの4種類だ。
有料の色って、赤と青だけなんですね
その2つだけ塗り方が違うの。コントラストレイヤリングっていう名前が付いているわ
値段が上がるだけの理由はあるってことですか?
実物を見れば分かるわ。写真だと伝わりにくい色よ

走りは、どう評価されていた?
実際に乗った評価で毎回のように出てくるのが、V8の伸びと音だ。回転を上げていったときの反応と音の変化を、この車のいちばんの価値として挙げる声が多い。10速ATとの組み合わせも評価が高く、高速をゆったり流したときの落ち着きは、GTそのものという受け止め方をされている。デザインと内装の質感については、国産車の中で明確に独自だという評価でほぼ一致している。
いっぽうで、短所として繰り返し挙がるものもはっきりしている。
この見た目で2t近いって、けっこう意外です
そこは短所として必ず挙がるわね。ひらひら曲がる車を期待すると違うわ
後ろの席、見た目からしてかなり狭そうですよね
狭いわ。荷室も浅いの。人を乗せる前提の広さではないわね
じゃあ4人で旅行は無理ですか?
無理ね。2人ぶんの荷物で考える車よ
もう一つよく挙がるのが、乗り心地だ。21インチのタイヤを履いていることもあって、路面によっては硬さを感じるという指摘が、初期のものを中心に残っている。年次改良で足まわりの手直しが何度も入っているため、年式によって印象が変わる部分でもある。
ハイブリッドのほうはどうなんですか?
燃費と静かさは当然そちらが上よ。滑らかさも評判がいいわ
じゃあLC500hのほうがいい車ってことですか?
そこが割れるところなの。この車に音を求めて来る人は、結局V8を選ぶのよ
燃費で選ばないんですね……
燃費を第一に選ぶ車ではないわね
9年で、LCに何が起きたのか
一度出したら放置、という車ではなかった。ほぼ毎年、どこかに手が入っている。
| 時期 | 起きたこと |
|---|---|
| 2012年1月 | コンセプトカー「LF-LC」を公開 |
| 2017年3月16日 | LC500h発売。GA-Lとマルチステージハイブリッドを初採用 |
| 2018年4月5日 | 特別仕様車“Structural Blue”(国内レクサス累計50万台記念) |
| 2018年8月30日 | 一部改良。車体の剛性、ショック、ブレーキ制御などを見直し |
| 2018年10月31日 | 特別仕様車“Luster Yellow”を2カ月の期間限定で受注 |
| 2019年10月1日 | 特別仕様車“PATINA Elegance”(国内100台) |
| 2020年7月15日 | LC500 Convertibleを追加。クーペも足まわりを改良 |
| 2021年1月6日 | 特別仕様車“AVIATION”(国内70台) |
| 2021年9月30日発表 | 一部改良。サスペンションと制御を最適化、内装色と幌色を追加 |
| 2023年6月8日 | 一部改良。画面まわりと運転支援を更新。特別仕様車“EDGE”を60台抽選販売 |
| 2025年1月6日 | 一部改良。LC500の床下に補強を追加 |
| 2025年8月4日 | 一部改良。特別仕様車“PINNACLE”をクーペ・Convertible各100台の抽選販売 |
最後の特別仕様車、抽選なんですね
LCは後半、抽選販売が多かったわ。台数を絞って作る売り方ね
“Final Edition”みたいなのは無かったんですか?
PINNACLEは特別仕様車で、最後の1台としては案内されていないわ
なんか、それも静かですね
そういう終わり方の車よ

そしてもう一つ、忘れられがちな仕事がある。LCは、レースにも出ていた。
え、この車でレースに出てたんですか!?
国内最高峰の箱車レース、SUPER GTのGT500クラスね。しかも出た最初の年と、最後の年にシリーズ王者を取っているの
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 参戦 | SUPER GT GT500クラス(2017〜2019年) |
| 王座 | 2017年(デビュー年)/2019年(最終年) |
| 後継 | 2020年からGRスープラへ |
最初と最後で勝つの、かっこよくないですか?
悪くない終わり方だったわね
結局、どういう人の車だったのか
ずっと気になってたんですけど、1,400万円って何にお金を払ってるんですか?
速さではないわね。この車、速さを売りにしていないの
じゃあ何ですか?
見た目と、音と、乗ったときの雰囲気よ。数字で説明しづらいものにお金を払う車なの
数字に出ないところにお金を払うの、いちばん高くつきますよね……
そうよ。だから性能表で比べると、この車はいつも損をするの
でも、それが好きな人はいますよね
そこが全部なのよ。LCは必要だから買う車じゃなくて、欲しいから買う車だったの

いまから探すなら、こう見る
新車では買えないので、探すなら中古になる。
✅ メリット
- 5.0LのV8を過給なしで積んだGT、という組み合わせが新車で買えなくなる
- 見た目が古びにくい。10年近く前のデザインだが、いま見ても新しく見える
- 屋根が開くV8のGTという組み合わせは、国産車では他に見当たらない
⚠️ 注意点
- 年式で乗り心地の印象が変わる。足まわりの改良が何度も入っている
- 21インチのタイヤ、大排気量の税金、燃費と、維持のコストは相応にかかる
- 特別仕様車と限定車が多く、程度も装備もバラバラ。同じ「LC」でも中身が揃わない
中古の掲載価格は、およそ680万円台から2,000万円を超えるものまで幅がある。年式、クーペかコンバーチブルか、限定車かどうかで大きく動くので、価格帯だけを見て判断できる車ではない。
幅がすごいですね
別の車と言っていいくらい違うわ。車両価格だけで選ぶと、あとから整備でかかることがあるの。履歴まで見ることね
乗り換えの総額を決めるのは、いまの車の売値
LCって、中古でもすごい値段が付くんですね。売る気がない人には関係ない話じゃないですか?
金額の話じゃないの。手放すつもりがなくても、いまの車が資産としていくらなのか、知っておいて損はしないわ
売る気ないのに調べるんですか?
そうよ。とくに趣味で乗ってる車ほどそう。年式が経つほど部品も市場も動くから、放っておくと自分の車の立ち位置が分からなくなるの
え、そんなの気にしたことなかったです
気にしなくても乗れるわよ。でも、知っていて損することは一つもないの
調べたら、なんか手放せって言われてる気がして嫌なんですけど
言わないわ。数字を見ることに費用は要らないの。見たあとで、今まで通り乗り続けるという結論でも構わないわ
でも、うちの車ってそんなに値段つかない気がします
そう思い込んでる人が多いのよ。いまは中古の相場そのものが上がっていて、値が付かないと思っていた車に金額が出ることがあるわ
古くてもですか
人気のある車種なら、年式のわりに落ちていないこともあるの。下取りに出す前に、買取の金額を一度は見ておきなさい
📌 まとめ
- レクサス日本公式サイトで、LCは全グレードが販売終了。工場出荷時期の案内にも掲載がない
- 中身はV8のLC500、ハイブリッドのLC500h、約15秒で屋根が開くLC500 Convertibleの3本立て
- 2012年のコンセプトをほぼそのまま市販化し、GA-Lプラットフォームとマルチステージハイブリッドを最初に背負った車だった
9年って、長いですか?
この手の車としては普通ね。ただ大きく顔を変えないまま9年続けたのは珍しいわ
じゃあ、中古で探すときは何を見ればいいんですか?
まず年式ね。足まわりの改良が何度も入っているから、年式で乗り味が違うの
見た目が同じでも中身が違うんですね
そう。あとは整備の履歴と、タイヤがいつ替わっているか。21インチだから、交換のときの金額が大きいの
よくある質問
レクサスLCはもう買えない?
新車では買えません。レクサス日本公式サイトでLC500h・LC500・LC500 Convertibleの全グレードが「販売終了」と表示されており、工場出荷時期の案内にも掲載がありません。中古車は流通しています。
LCの生産終了はいつ?
日本向けに生産終了の時期を明記した公式発表は出ていません。海外では2026年8月までとする報道がありますが、これは海外仕様についての内容です。
LC500とLC500hはどちらがいい?
求めるものが違います。エンジンの音とアクセルへの反応を重視するならLC500(5.0L V8)、燃費と静粛性、滑らかさを重視するならLC500hです。試乗評価でも、この車に音を求める人はLC500を選ぶ傾向が繰り返し指摘されています。
LC500 Convertibleの屋根はどのくらいで開く?
約15秒です。約50km/h以下であれば走行中でも開閉できます。幌は4層構造のソフトトップです。
中古のLCはいくらくらい?
掲載ベースで約680万円台から2,000万円超まで幅があります。年式、クーペかコンバーチブルか、限定車かどうかで大きく変わるため、価格だけで判断せず、装備と整備の履歴を合わせて見てください。
乗り換えるなら、いま乗っている車はいくらで売れる?
車種・年式・走行距離・状態で変わるため、実際に査定を取るのが確実です。ディーラーの下取りを使う場合でも、先に買取の相場を知っておけば、提示された下取り額が妥当かどうかを判断する材料になります。
※この記事は2026年8月1日時点の情報をもとに作成しています。価格・在庫・設定は販売会社によって異なります。
この記事で参照した情報源(23件)
- レクサス LC 公式ページ
- レクサス LC 価格・パッケージ(公式)
- レクサス LC 主要諸元表(PDF・公式)
- レクサス 工場出荷時期目処のご案内(公式)
- LEXUS、新型ラグジュアリークーペ「LC」を発売(2017年)
- LEXUS、「LC500 Convertible」を新設定(2020年)
- LEXUS、国内累計販売台数50万台を記念した特別仕様車(Structural Blue)
- LEXUS、LS、LCを一部改良(2018年)
- LEXUS、LC特別仕様車“Luster Yellow”を期間限定販売(2018年)
- LEXUS、CRAFTEDの思想にもとづく特別仕様車(PATINA Elegance・2019年)
- LEXUS、「LC」特別仕様車“AVIATION”の限定発売を発表(2021年)
- LEXUS、「LC」を一部改良(2024年12月発表)
- LEXUS、「LC」を一部改良(2021年)
- LEXUS、「LC」を一部改良するとともに特別仕様車“EDGE”を発売(2023年)
- LEXUS、「LC」を一部改良するとともに特別仕様車“PINNACLE”を設定(2025年)
- TOYOTA GAZOO Racing SUPER GT GT500クラスへのスープラ投入発表
- TOYOTA GAZOO Racing LC500最終年(2019年)のシリーズ王者
- TOYOTA GAZOO Racing LC500デビュー年(2017年)のシリーズ王者
- webCG レクサスLC500 試乗記
- webCG レクサスLC500 Convertible 試乗記
- 価格.com レクサスLC オーナーレビュー
- グーネット レクサスLC 中古車情報
- Car and Driver(海外報道・LCの生産終了時期)
※記事内の画像はイメージです。細部は実際のものと異なる場合があります。
← 記事一覧へ



