ポルシェ カイエンはなぜ作られた? 「ポルシェがSUV?」と言われた初代から現行まで、歴代モデルと中古で選ぶポイント
この記事の要点
- 初代の販売計画は年2万5,000台。実際は平均で約3万5,000台売れ、8年間で276,652台が作られた
- 初代には副変速機とロックできるセンターデフがあった。 本格オフローダーの構成で、E2(2010年)で廃止された
- ⚠️ カイエンのディーゼルは、日本の正規仕様に存在しない(ポルシェジャパンの取扱説明書に明記)
- 中古でいちばん手がかかるのは初代。 冷却水の配管、トランスファーケースのサーボ、エアサスをまとめて見る
※この記事は2026年9月22日時点の情報です。価格はいずれもその時点の国内価格です。
ポルシェ カイエンは2002年に出た、ポルシェにとって最初のSUVだ。
出たときの反応は、いまからは想像しにくい。「ポルシェがSUVを作るのか」「ブランドの本質が失われるのではないか」。その懐疑があったことを、ポルシェ自身が認めている。 一方で同じポルシェが、この車を「持続可能な成功の経済的基盤」「成長の原動力」だったとも書いている。
カイエンの中古は、買うときの値段と、買ったあとに出ていく金額が逆を向く。 手元にいくら残せるかで、狙える世代が変わってくる。
店長、カイエンってポルシェのSUVですよね。人気ありますよね
いまはね。でも2002年に出たときは、けっこう言われたのよ
何を言われたんですか?
『ポルシェがSUVを作るのか』『ブランドの本質が失われるのでは』ね
いまと全然違うじゃないですか
そう。しかもその話をしているのはポルシェ自身なの。自分のところの記事で、そういう反応があったと認めているの

数字で見ると、何が起きたのか。
ポルシェが公表している初代の数字は、こうだ。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 販売計画 | 年 2万5,000台 |
| 実際 | 平均 約3万5,000台 |
| 8年間の生産台数 | 276,652台 |
ポルシェにとってこの車は、「持続可能な成功の経済的基盤」「成長の原動力」だった。
計画の1.4倍……
叩かれた車が、いちばん会社を支えたという話ね。並べるとそうなるわ
じゃあ『カイエンがポルシェを救った』ってことですか?
そこまでは言っていないの。出てくる言葉は『経済的基盤』『成長の原動力』まで。救ったとは、どこにも書いていないわ
まず、世代の呼び方を揃えておく。
カイエンは呼び方が2系統あって、中古車サイトを見るときに混乱する。先に揃えておくと、この先が読みやすい。
| この記事の書き方 | ポルシェ公式の呼び方 | 整備資料の型式 |
|---|---|---|
| 955(E1) | E1 I | 9PA(2003〜2006年式) |
| 957(E1 II) | E1 II | 9PA(2008〜2010年式) |
| 92A前期(E2) | E2 I | 92A(2011〜2014年式) |
| 92A後期(E2 II) | E2 II | 92A(2015〜2018年式) |
| 9Y0前期(E3) | E3 I | 9YA=SUV/9YB=クーペ |
| 9Y0後期(E3 II) | E3 II | 9YA.2/9YB.2 |
955とか957って、公式の名前じゃないんですか
違うわ。ポルシェは『E1』『E2』と呼んでいるの。上の表の左と真ん中は、同じ車の別の呼び名よ
どっちで探せばいいんですか
両方覚えておくしかないわ。中古車サイトは年式で切っていることが多いから、結局は年で見るのがいちばん確実よ
歴代を、エンジンと駆動で並べてみる。
| 世代 | 期間 | 代表グレードと出力 | 大きく変わったところ |
|---|---|---|---|
| 955(E1) | 2002〜2006年 | S=4.5L V8 340PS/ターボ=450PS | 副変速機とロックできるセンターデフ |
| 957(E1 II) | 2007〜2010年 | S=4.8L V8 385PS/ターボ=500PS | ガソリンの直噴化、V8が4.5L→4.8L |
| 92A(E2) | 2010〜2014年 | S=4.8L V8 400PS/Sハイブリッド380PS | 約180kg軽量化、8速AT、副変速機を廃止 |
| 92A後期(E2 II) | 2014〜2017年 | S=3.6L V6ツインターボ 420PS/S E-Hybrid 416PS | SのV8がV6ツインターボへ |
| 9Y0(E3) | 2017〜2023年 | S=2.9L V6ツインターボ 440PS/ターボ=4.0L V8 550PS | 約65kg軽量化、後輪操舵、2019年にクーペ追加 |
| 9Y0後期(E3 II) | 2023年〜 | S=4.0L V8 474PS/GTS=500PS | SのV8が戻ってきた |
SのV8が、いなくなって戻ってきてる
よく見つけたわね。いったんV6ツインターボになって、また戻ってきたの。9年かかったわ
ポルシェ、これ好きですね
ボクスターとケイマンでも同じことをしているわ。6気筒が4気筒になって、また6気筒が戻ってきたの

955(2002年)。副変速機を持った、本格オフローダーだった。
初代でいちばん見落とされているのが、ここだ。
初代には副変速機(ローレンジ)があり、センターデフを完全にロックできた。 つまり、いまのカイエンよりオフロード寄りの構成で作られていた。
| 内容 | |
|---|---|
| 最低地上高(鉄ばね) | 217mm |
| 最低地上高(エアサス・最大) | 273mm |
273mm! ちょっとした本格四駆じゃないですか
そうなの。ポルシェは最初のSUVを、けっこう真面目に作ったのよ
いまのカイエンには無いんですか?
2010年のE2で副変速機は廃止されたわ。電子制御の多板クラッチ式になったの。そこでオフローダーからスポーツSUVに舵を切ったと読めるわね
日本では、Sとターボの受注が2002年9月、導入が同年12月。価格の記録はV6が599万円(6MT)、Sが860万円、ターボが1,250万円だった。

957(2007年)。新しい世代ではなく、大幅な改良だった。
957は独立した新世代ではなく、E1の大幅改良型だ。変わったのは3つ。
1. ガソリンの直噴化
2. V8を4.5Lから4.8Lへ拡大(Sが340PS→385PS、ターボが450PS→500PS)
3. ヘッドライトと前後の外観
見た目は変わってますよね
変わっているわ。でも中身は初代の続きなの。中古で見るときは、『初代の後期』として見るほうが近いわね
92A(2010年)。180kg軽くなって、副変速機が消えた。
2010年のE2で、車が作り替えられる。日本では2010年3月5日に予約が始まった。
| 変わったところ |
|---|
| カイエンSで先代比 約180kg の軽量化 |
| 8速ティプトロニックS |
| 副変速機を廃止し、電子制御の多板クラッチ式4WDへ |
| アイドリングストップ、減速エネルギーの回生 |
| ポルシェ初の量産ハイブリッド(Sハイブリッド)を追加 |
180kgって、大人2人ぶんですよね
そうね。2.2t超えだった車体が2t前半まで落ちたの。数字の話に見えて、乗ったときの印象がいちばん変わった世代よ

92A後期(2014年)。SのV8が、V6ツインターボになった。
2014年の改良で、カイエンSの4.8L V8が、3.6L V6ツインターボ(420PS)に置き換わった。 同時にS E-Hybridが加わる。
日本ではS/S E-Hybrid/ターボが2014年7月29日、ベースとGTSが同年11月8日に予約開始。S E-Hybridは1,155万円だった。
V8が減っていくんですね
このときはね。ただしターボとターボSは4.8L V8のまま残ったわ。全部が小さくなったわけじゃないの
9Y0(2017年)。さらに65kg軽くなり、後輪も曲がるようになった。
2017年8月29日に発表され、日本では同年12月16日に予約開始。
| 入ったもの |
|---|
| 新しいプラットフォームとアルミの使用拡大 |
| 最大 約65kg の軽量化 |
| 全車8速ティプトロニックS |
| 後輪操舵と、前後で違うサイズのタイヤを初採用 |
| PSCB(表面コートしたブレーキ)を初採用 |
| 荷室を約100L拡大 |
後ろのタイヤも曲がるんですか
曲がるわ。2.4トン近い車が、取り回しで小さく感じるのはこれのおかげね。カタログの数字より、駐車場で分かる違いなの
2019年、クーペが足された。
2019年3月21日に発表され、日本では同年4月22日に予約開始。
⚠️ クーペは独立した世代ではなく、E3のボディ違いだ。ルーフがSUVより20mm低く、リアトレッドが18mm広い。
中古で探すとき、同じところに出てきますか?
そこが注意点なの。中古車サイトによってはカイエン クーペを別の車種として扱っているわ。カイエンだけ見ていると出てこないことがあるの
2023年、SのV8が戻ってきた。
2023年4月18日に世界発表と日本の予約開始。 ポルシェの言葉では「カイエン史上、最も広範なアップデートのひとつ」。
カイエンSが、V6ツインターボから4.0L V8ツインターボ(474PS)に戻った。
9年ぶりの復活ですね
そうなるわ。GTSも4.0L V8で500PSよ

⚠️ カイエンのディーゼルは、日本では売られていない。
ここは中古を探すときに必ずぶつかるので、はっきり書く。
ポルシェジャパンの取扱説明書に「ディーゼル/Sディーゼルは日本仕様に設定はありません」と書かれている。
| 問い | 答え |
|---|---|
| 日本にいつ入ったか | 正規輸入は始まっていない |
| 日本で見かける中古のディーゼルは | 並行輸入と考えられる(個体ごとの輸入経路は不明) |
| 世界市場では | 2018年2月以降ラインアップから消え、同年9月に将来のディーゼル廃止を正式表明 |
日本では一度も正規で売られてないんですか
そうなの。だから中古で見かけたら、まず並行輸入を疑うことになるわ
並行輸入だと、何が違うんですか
国内で部品が出るか、診断機がつながるか、海外で出たキャンペーンが済んでいるか。 そこを車台番号で確かめる必要があるの。安いのには理由があるという話よ
なお、ディーゼルをやめた理由として挙げられているのは、2017年の世界販売に占めるディーゼルの比率が12%まで落ちたこと、ハイブリッドとEVに集中することだ。⚠️ 排ガスの問題が理由だ、とはどこにも書かれていない。
ハイブリッドは2010年、PHEVは2014年。
カイエンは電動化を2段階でやっている。この2つは別物だ。
| 2010年 Sハイブリッド | 2014年 S E-Hybrid | |
|---|---|---|
| 位置づけ | ポルシェ初の量産ハイブリッド | プレミアムSUV初のPHEV |
| 電池 | ニッケル水素 1.7kWh | リチウムイオン 10.8kWh |
| 外部充電 | できない | できる |
| システム出力 | 380PS | 416PS |
| EV走行距離 | — | 公称 18〜36km |
2010年のほうは、コンセントにつなげないんですね
つなげないわ。ふつうのハイブリッドよ。中古で『ハイブリッド』とだけ書いてあったら、年式でどちらか判断することになるわね
EVが出たけれど、ガソリンは終わらない。
2025年11月に、第4世代となるカイエン エレクトリックが発表された。
ただし、⚠️ これはE3のガソリンとPHEVをすぐに置き換えるモデルではない。 ポルシェの方針はEV・内燃機関・PHEVの並行展開で、E3の内燃機関とPHEVも2030年代まで続くとされている。
じゃあ、いまガソリンを買っても大丈夫なんですか
そういう方針よ。『EVが出たから従来型は終わり』ではないわ。そう書いている記事があるから、気をつけることね
走りは、世代ごとにどう評価されている?
| 世代 | 書かれていること |
|---|---|
| 955(初代) | 2.2t超の重量を意識させないV8の力強さ、直進安定性、静粛性。ターボはスポーツカー並みの加速。鉄ばねのSは「視線の高いポルシェ」と評価される一方、荒れた継ぎ目ではリアからの突き上げを指摘 |
| 957 | V6は3.6L化と直噴で低中速のトルクとレスポンスが改善し、乗り心地にしっとり感が増した。エアサス装着のターボはまろやかさを保ちながらロールを強く抑える |
| 92A(E2) | 大幅な軽量化・8速AT・新しいV8で、先代より「ポルシェらしさ」が増した。自然吸気のSでも十分な動力性能 |
| E2 Sハイブリッド | V6とV8の中間に当たる性能と効率を両立 |
| 9Y0(E3) | 鉄ばね(標準)の国内試乗で、20インチでも乗り心地がしなやか、後輪操舵による蹴り出し感、実用性の向上を評価 |
| E3 II クーペ | 発売当時の「ポルシェらしくない」という印象に触れつつ、現行はバランスのよいSUVへ熟成。エアサスで速度域を問わずフラット |
初代だけ、乗り心地の指摘がありますね
鉄ばねのSの話ね。荒れた継ぎ目でリアが突き上げる、と書かれているわ
じゃあエアサスのほうがいいんですか
そこは単純じゃないの。クーペの『フラット』という評価はエアサス装着車のもので、鉄ばね車と同じ条件で比べた話ではないわ。エアサスは中古だと故障の話も付いてくるから、あとでやりましょう
ここから中古の話。初代がいちばん手がかかる。
歴代の話はここまで。残りは、買う前に現車で何を見るかにあてる。
カイエンは中古の「定番トラブル」と言われるものが多い車種だ。ただし、そのほとんどは初代に集中している。

初代のV8は、冷却水の配管を見る。
2003〜2006年式の初代V8には、「プラスチック製の冷却水配管」を扱った技術資料がある(ポルシェ北米)。アルミ配管のキットが付いているかを確認する方法まで書かれている。
⚠️ ただし、そこには「全車が必ず壊れる」とは書かれていない。工場でいつから対策されたかも出てこない。
『2007年から対策済み』ってよく見ますけど
それ、今回たどった資料には出てこないの。957の4.8Lが対象外なのは確かだけど、それをもって対策日とは言えないわ
じゃあ、どう確かめればいいんですか
アルミの配管に替えてあるか、記録を見せてもらうのよ。交換済みなら、そこはもう心配ごとではなくなるわ
カムシャフトのコントローラは、日本でもリコールが出ている。
92A(E2)のカイエンS/ターボ、2011〜2012年式について、技術資料とリコールの両方がある。
日本のリコールの説明はこうだ。カムギヤの固定ボルトの設計値が不適切で、異音、点火タイミングのずれ、エンジンの不調、最悪の場合はエンストと再始動不能になるおそれ。
エンストして、かからなくなるんですか
そう書かれているわ。だから車台番号で、対策が済んでいるか確認するの。済んでいれば、それでいい話よ
トランスファーケースのサーボは、低速で確かめる。
これは初代と2代目の両方に報告がある。
| 世代 | 内容 |
|---|---|
| 9PA(2003〜2010年式) | 長時間のローレンジ走行でサーボが過熱、制御ユニットの不良。改良された制御ユニットは2009年10月30日に導入 |
| 92A(2011〜2017年式) | 加速時のジャダー、異音/2015〜2016年式は低速時のサーボのクリック音/サーボモーターの配線コネクターへの水分侵入と腐食 |
現車での見方:低速で旋回してみる。ゆっくり加速してみる。 そしてAWDの警告履歴と故障コード、制御ユニットの更新歴を確認する。
⚠️ ただし、オフロードモードなどによる駆動系の突っ張りは正常な特性の場合もある。 低速で何か感じたからといって、全部を故障と決めつけない。
プロペラシャフトのセンター支持は、公式の記録が無い。
初代のプロペラシャフトのセンター支持ゴムは、専門店や部品業者から多数報告されている。 米国のポルシェクラブは2003〜2010年型について「よくある故障点」と書いている。
⚠️ ただし、今回の調査ではポルシェのリコールや、カイエン向けの技術資料は見つからなかった。 そして、これを説明しているクラブや業者が紹介している修理方法は、社外の補修部品を使うものだ。
公式が認めてないってことですか
認めていないのではなく、記録が見つからないの。そこは別の話よ。報告は多いけれど、裏は取れていないの
エアサスは、ひと晩停めたあとの姿勢で分かる。
初代のエアサスについて、部品を売っている業者が点検項目に挙げているのは、コンプレッサー、バルブブロック、ストラットとホースの接続部だ。
⚠️ 同じ業者が「エアバッグの破損は、他の故障より一般的とは限らない」とも書き添えている。「エアバッグは必ず破れる」とは言えない。
現車での見方:
1. 始動する前に、四輪の車高を見る
2. ひと晩停めたあとに片側が下がっていないか
3. 車高を変えるのに、どのくらい時間がかかるか
4. コンプレッサーが頻繁に再始動しないか
ひと晩置いてから見るって、けっこう本気ですね
これがいちばん分かりやすいの。日中に短く試乗しただけでは出ないわ
なお、E2の前期はベースとSが鉄ばね、ターボがエアサス標準だった。鉄ばねを選べば、この心配ごとはそもそも無い。
PHEVは、電池の診断値を見せてもらう。
Sハイブリッドはニッケル水素、S E-Hybridはリチウムイオン。 ここははっきりしている。
⚠️ ただし、日本仕様の旧型PHEVの駆動用バッテリーについては、保証の年数も交換の費用も、公表された数字が見つからない。
だから、診断値、充電が正常に動くか、保証の契約がどうなっているかを、個体ごとに確認するしかない。
年式で決めず、車台番号で調べる。
日本で出ているカイエンのリコールは、世代をまたいでいる。
| 世代 | 内容 |
|---|---|
| E1 | 燃料ポンプフィルターフランジ。劣化で燃料漏れのおそれ(2002〜2006年輸入車) |
| E2 | ブレーキペダル。サークリップ未装着で、最悪の場合ブレーキが効かなくなるおそれ |
| E2 | カムシャフト コントローラ(前述) |
| E3 | スターター。ねじの緩みで始動不能のおそれ |
| E3 | 運転支援ソフト。アクティブレーンキープ使用中、コーナーで想定速度を超過する場合 |
| E3 | サラウンドビュー。カメラ映像が途切れ、直左/直右を確認できないおそれ |
⚠️ どれも車台番号単位で、「その世代が壊れやすい」という話ではない。
これ、自分で調べられるんですか
国土交通省が、車台番号から調べられるページを用意しているわ。リストに載っている範囲には対象外の車も混ざるから、自分が買う1台の番号で引くのが確実ね
⚠️ そして、北米で出ている技術資料は、日本での無償修理や保証の適用を意味しない。 そこも車台番号で確かめることになる。
全幅は、初代の時点でもう1.93m。
日本で乗るなら、ここは最初に確かめたほうがいい。
| 世代 | 全長×全幅×全高 | 車重 |
|---|---|---|
| 955・S | 4,782×1,928×1,699mm | 2,245kg |
| 92A・S | 4,846×1,939×1,705mm | 約2,065kg |
| 9Y0・ベース | 4,918×1,983×1,696mm | 1,985kg |
- ミラーを含むと、92Aで約2,165mm、9Y0で約2,194mm
- ⭐ E2で車重が約180kg下がっている(955のS 2,245kg → 92AのS 約2,065kg)
初代でもう1.93mあるんですね
あるのよ。小さくて古いから狭い、とはならないわ
機械式の駐車場は厳しいですか
一般論で決めないほうがいいの。全幅・全高・重量・タイヤの外側の幅を、その施設ごとに照らし合わせるしかないわ。『輸入SUVは無理』で片付けると、入るところも逃すから
世代別に、どれを選ぶか。
| 世代 | 向いている人 | 気をつけるところ |
|---|---|---|
| 955(E1) | いちばん安く手に入れたい。副変速機とロックデフを持つ、本格四駆の構成がほしい | 冷却水の配管の交換記録/プロペラシャフトの支持/エアサス/サーボを記録と現車で確認。手がかかる前提で |
| 957(E1 II) | 直噴の4.8L V8がほしい | 「後期だから全部対策済み」とは言えない。 整備履歴を優先する |
| 92A(E2) | ⭐ 軽くなって8速ATになった、普段使いしやすい世代 | カムシャフトのコントローラとトランスファーケース、リコールの履歴を重点的に |
| 92A後期(E2 II) | ⭐ 国内の流通量がいちばん多く、選びやすい | PHEVは電池の診断値と充電の動作、保証の範囲を確認 |
| 9Y0(E3) | 後輪操舵と、いまの装備がほしい | 機械的な故障の噂より、スターター・運転支援・サラウンドビューのリコール完了を車台番号で |
| 9Y0後期(E3 II) | V8のSが戻った世代 | 現行に近いぶん価格は高い側 |
流通量の傾向はこうだ。いちばん選択肢が多いのは92A(E2)。9Y0も十分にあり、955は減っているが絶滅してはいない。
ひとつ選ぶとしたら、どれですか
初めてのカイエンなら92Aの後期ね。台数があって選べるし、軽くなって8速で扱いやすい。心配ごとの中心が初代に寄っているから、そこを外せるのが大きいわ
店長は?
私は955。副変速機とロックデフを持ったポルシェなんて、もう出てこないもの
いちばん手がかかるやつじゃないですか!
手がかかるほうが面白いでしょう。……人に勧めはしないけれど

予算を、2つに割っておく。
カイエンの中古は、買うときの値段と、買ったあとに出ていく金額が逆を向いている。 初代はいちばん安く手に入るが、冷却水の配管もサーボもエアサスも、心配ごとは全部その世代に集まっている。
だから、この車は予算を最初から2つに割っておくほうがいい。
| 予算 | 何に使うか |
|---|---|
| 買う予算 | 車両価格と諸費用 |
| 直す予算 | 購入前の点検、見つかったものの修理、最初の車検 |
ふつう、全部まとめて考えませんか
まとめると、車両価格の上限いっぱいまで使ってしまうのよ。それで納車の翌月に配管が抜けたら、どうするの
……払えないです
そうなるでしょう。だから割っておくの。車両価格を50万円上げるより、50万円を直す側に残したほうが、結果的にいい買い物になることがあるわ
そして、この「直す予算」をどこから作るか。たいていは、いま乗っている車を手放したお金だ。
買うほうじゃなくて、直すほうに回すんですか
カイエンならそっちのほうが正しい使い方よ。車を1つ上の年式にするお金と、いまの1台をちゃんと診てもらうお金なら、後者のほうが効き目が大きいの
ここで差が出るのが、いまの車をどこに出すかだ。ディーラーの下取りは、店の車の値引きとまとめて話が進む。悪いわけではないが、自分の車がいくらと評価されたのかが分からないまま終わりやすい。
買取の見積もりは、その1台だけの金額として出てくる。 数字が分かれば、下取りと比べて決められる。
じゃあ、両方見ればいいんですね
そういうこと。片方しか見ないから、比べられなくなるの
まだカイエンを買うって決めてないんですけど、先に調べていいんですか?
むしろ先なの。カイエンは整備の予算まで含めて考える車なんだから、手持ちがいくらになるかが分からないと、どの世代を見に行くかも決まらないわ
📌 まとめ
- カイエンはポルシェ最初のSUV。 出たときは「ポルシェがSUV?」と言われ、その懐疑があったことをポルシェ自身が認めている
- 計画年2万5,000台に対し平均約3万5,000台、8年で276,652台。 ポルシェの言葉では「経済的基盤」「成長の原動力」
- 初代には副変速機とロックできるセンターデフがあった。 E2(2010年)で廃止され、スポーツSUVへ舵を切った
- ⚠️ ディーゼルは日本の正規仕様に無い。 中古で見かけたら並行輸入を疑い、部品と診断の対応を車台番号で確認する
- 中古の心配ごとは初代に集中している。 初めての1台なら92A(E2)の後期
- 車両価格だけで決めず、買ったあとの整備予算を先に作っておく
よくある質問
カイエンは何世代ありますか?
ガソリン/PHEVの系列で3世代です。 E1(2002〜2010年/955・957)、E2(2010〜2017年/92A)、E3(2017年〜/9YA・9YB)。それぞれの途中に大幅な改良型(E1 II・E2 II・E3 II)があります。2025年に発表されたカイエン エレクトリックは第4世代のEVです。
「955」「957」はポルシェ公式の呼び方ですか?
違います。 ポルシェの呼び方は「E1 I」「E1 II」です。955・957は整備の現場や中古市場で通じている呼び方です。9Y0も部品番号などに出る記号で、車両型式はSUVが9YA、クーペが9YBです。
カイエンのディーゼルは日本で買えますか?
新車では買えません。 ポルシェジャパンの取扱説明書に「ディーゼル/Sディーゼルは日本仕様に設定はありません」と書かれています。中古で見かけるものは並行輸入と考えられます。 国内での部品供給、診断への対応、海外で出たキャンペーンの完了状況を車台番号で確認してください。
中古でいちばん気をつける世代はどれですか?
初代(955・957)です。 冷却水の配管、トランスファーケースのサーボ、プロペラシャフトの支持、エアサスと、よく話題になるものが初代に集まっています。ただし、どれも「必ず起きる」とは書かれていません。 整備の記録が残っている個体を選ぶのが先です。
エアサスと鉄ばね、どちらを選べばいいですか?
用途で決めてください。 エアサスは車高を変えられ(初代では最低地上高が217mm→最大273mm)、試乗記の「フラット」という評価もエアサス装着車のものです。一方で中古ではコンプレッサーやバルブブロックの点検が付いてきます。 E2の前期はベースとSが鉄ばね、ターボがエアサス標準でした。
EVが出たので、ガソリンのカイエンは終わりますか?
終わりません。 ポルシェの方針はEV・内燃機関・PHEVの並行展開で、E3の内燃機関とPHEVも2030年代まで続くとされています。
カイエン クーペは、中古でカイエンと一緒に出てきますか?
出てこないことがあります。 中古車サイトによっては別の車種として扱われているため、カイエンだけを見ていると候補から漏れます。クーペも検討するなら、別枠でも探してください。
この記事で参照した情報源(31件)
- Porsche Newsroom|20 years of the Cayenne
- Porsche Newsroom|カイエン誕生の経緯
- Porsche Newsroom|E1(初代)の公式史
- Porsche Newsroom|E2(2代目)の公式史
- Porsche Newsroom|E3 世界初公開
- Porsche Newsroom|カイエン クーペ発表
- Porsche Newsroom|2023年の改良
- Porsche Newsroom|カイエン エレクトリック
- Porsche Newsroom|EVと内燃機関の併売戦略
- Porsche Newsroom|ディーゼル撤退の発表
- Porsche Christophorus(日本語)|ハイブリッドの歴史
- Porsche Christophorus(日本語)|カイエンへの反応
- ポルシェジャパン|カイエン(E2)取扱説明書
- ポルシェジャパン|カイエン(E3)取扱説明書
- Car Watch|E2後期 日本予約開始
- Car Watch|E3 日本予約開始
- webCG|初代カイエン 日本初試乗
- webCG|初代カイエンS(鉄ばね)試乗
- webCG|957 試乗
- webCG|E2 海外試乗
- webCG|E3 国内試乗
- Car Watch|E2 Sハイブリッド試乗
- 国土交通省|E1 燃料ポンプフィルターフランジ(外-2607)
- 国土交通省|E2 ブレーキペダル(外-2320)
- 国土交通省|E2 カムシャフトコントローラ(外-3569)
- 国土交通省|E3 スターター(外-3282)
- 国土交通省|E3 運転支援ソフト(外-3794)
- 国土交通省|E3 サラウンドビュー(外-4156)
- 国土交通省|リコール対象車の確認
- 中古車オークション相場(2026年2月)
- 中古車市場レポート(2026年7月)
※記事内の画像はイメージです。細部は実際のものと異なる場合があります。
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